Japanische Klassiker mit Furigana
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らしんのにょせん
裸身の女仙
野村 胡堂
Lesen Sie 裸身の女仙 (らしんのにょせん) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.437 Zeichen · 29 Bildschirme
お鳥も暗然としました。弟弟子の源吉の死が、また擽るように涙を誘います。
「萩江様、何んと申上げて宜しいやら、いろいろ御骨折、有難う御座います。そうまでして下さる貴方様は何んなお方で入らっしゃいましょう、せめて御身分をお明かし下さいまし」
「西国の浪人、萩江鞍馬、それ以上は申上げようも無い。軽井沢でお鳥殿の父上にお目にかかり、此店先に掛けてあった絵姿を手に入れて、拙者は斯うするより外には工夫も無かったのだ。お笑い下さい。武芸の修業でもあることか、一婦人を尋ねて、五年越日本中を遊歴した私は、武士の端くれを汚すさえ後ろめ度い――、何事も、前世の約束事であろう、お鳥殿」
鞍馬は斯う言って、端麗な顔を俯向けました。
言うことは筋も意味もありませんが、美しい絵姿に魅入られて、同じ顔形の人を探そうとした、果敢なくも熱烈な恋心は、お鳥の胸にも犇々と喰い入ります。
「何んと申上げて宜いのやら、私には解りません。それにつけても亡くなった私の父親の名と、私の素性を、どうぞお教え下さいまし」
「他聞を憚る事、暫らくお待ち下さい」鞍馬は立ち上って、簾の外、夕陽にキラキラする石畳の上を見ましたが、ハッとした様子でお鳥を顧みました。