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Japanische Klassiker mit Furigana

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らしんのにょせん

裸身の女仙

野村 胡堂

Lesen Sie 裸身の女仙 (らしんのにょせん) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.437 Zeichen · 29 Bildschirme

Aozora Bunko

縁側の上から、素晴らしい嬌笑を浴せるのはお鳥で、庭の芝生に尻餅を突いたのは、外ならぬ主人の郷太郎自身だった。

「無礼な女奴ッ、其処動くなッ」

郷太郎は飛起きると、縁側の一刀を掴みに行きましたが、お鳥は早くも飛付いて、座敷の中へパッと投げ込みました。

「殿様、作法の仕込みのと仰しゃいますが、それが、三千石の大身の躾みでいらっしゃいましょうか。少し静かに、私の言う事も聞いて下さいまし」

「何を申すッ」

郷太郎は、女の言葉を耳にも掛けませんでした。

刀を取り上げられたムシャクシャも手伝って、大手を拡げて、ガバと組付くのを、かいくぐったお鳥の双腕は、もう一度郷太郎の胸をドンと突くと、三千石の御大身ともあろうものが、他愛もなくよろけて庭石の上へ、したたかに尻餅を突いて了ったのです。

「ホホホホホ、まあ弱い殿様」

「えッ、己れッ」

郷太郎は煮えこぼれそうに腹を立てましたが、何んとしても腰が切れません。

お鳥は十五六まで、碓氷の山奥に育って、猿や鹿を相手に、木から木へ、岩から岩へと飛んで歩いた上に、軽業の一座に交って、三年の間身体を練った女です。

打物業にさえならなければ、妾狂いに浮身をやつす安城郷太郎などの手に負える女ではありません。