Japanische Klassiker mit Furigana
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おやどりことり
親鳥子鳥
佐々木 邦
Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme
一二年級の頃は図画と習字の点数が絶えず席次に影響した。それは然うと、お父さんの机の引出しを開けたら、又一枚短冊が見つかった。
――衣更えて昔を妻に戯れし――浩郎
とある。お父さんの留守中に書斎へ忍込んで机の中を探すなぞと聞くと、僕を不良少年と思い込む向き向きがあるかも知れない。しかしそれは早計だ。これには立派な申訳がある。お父さんは新聞記者でも手紙となると大の筆無精で、容易に書かない。殊に葉書や書翰箋の類が品切れだと、好い口実にして、彼方此方へ御無沙汰を極め込む。それでお母さんは退引きさせないように、葉書や切手は素よりのこと通信に必要な品を一切お父さんの机の引出しに揃えて置く。
「源太郎や、葉書はいつでもここにありますから、お前もお使いなさいよ」
と僕にまで言渡してある。僕は特許によってお父さんの机を開けるのだ。無論序だから何かあるかと思って椅子に腰を下し、丁寧に探して見ることもあるが、決して不良少年ではない。
さて、葉書の問題でなくて俳句のことだが、この方面に於ける僕の造詣は至って浅い。学校の読本で見本を三つ四つ習ったばかりだから全然的無学だといっても差支ない。