Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おやどりことり

親鳥子鳥

佐々木 邦

Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme

Aozora Bunko

と僕はお母さんに安心させる必要を感じた。

「私だってお金のことばかり考えてはいませんよ。お前が自分で喰べて行けないようでは困ると思って、それを案じるんです」

「お金が取れるんですよ、小説家は。スコットって人は十何年間というもの毎日毎日五十磅入ったそうです。五十磅は日本のお金なら五百円です。三五十五で月に一万五千円、年に十八万円になります。それが百年前のことですから、今のお金にしたら大変なものでしょう」

「西洋のお話は通用しませんよ。お前もお父さんも悪い癖で、少し後ろ暗いと直ぐ彼方のことを持って来ます」

とお母さんはちゃんと知っている。

「恐れ入った。しかし源太郎はナカナカ研究しているんだね」

とお父さんは笑っていた。

お母さんの期待に背いては申訳ないが、生計さえ立てば宜いと仰有るのを力に、僕はそのまま引き退って、先ず観察から修行することに肚を極めた。しかし入学試験という大役を控えているから、無論片手間である。幾何や代数に人間という更に不可解な科目が加わったので、昨今急に忙しくなった。電車に乗って学校へ行く途中も修行を忘れない。第一から第三まで観察だから、小説家も骨が折れる。