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Japanische Klassiker mit Furigana

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おやどりことり

親鳥子鳥

佐々木 邦

Lesen Sie 親鳥子鳥 (おやどりことり) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.828 Zeichen · 181 Bildschirme

Aozora Bunko

「兎角自分のことは分らないものさ。今日は右の手に鞄を持っていたから、左の手で拾って左の耳へ持って行ったんだね。時計を落さないと未だ未だ気がつかずにいるところだった。偶然の発見さ」

「余り香しい発見じゃございませんわね。然う承われば、あなたは以前から聾耳だったかも知れませんよ。私は又お気に入らないことには御返辞をなさらない癖だと存じて居りましたが、真正に聾耳じゃ心細いわ。俄か聾耳は……」

「聾耳聾耳って言うなよ。年寄染みて外聞が悪い。耳が遠いと言え」

とお父さんはナカナカ気むずかしい。

「同じことじゃありませんか?」

「耳の故障と言ったら宜いでしょう?」

と僕は初めて口を切った。

「然うさ。聴覚機関の故障と言って貰おう」

とお父さんは見栄張っている。

「宜しゅうございます。急に来た聴覚機関の故障は早く手当をすれば治りましょう。兎に角鎌田さんに見て戴いて下さいませ。何処かお悪いと、私、気が気じゃありませんわ。年廻りが年廻りでございますからね」

とお母さんは言葉を改めて悃願した。

「又始まったぜ。しかし早速見て貰うよ。別に不便もないが、好い方まで悪くなると大変だ」

「何れくらいお悪いのかここで試して御覧なさいませ」