Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちゅうもんちょう

註文帳

泉 鏡花

Lesen Sie 註文帳 (ちゅうもんちょう) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.770 Zeichen · 67 Bildschirme

Aozora Bunko

「そこの処に婦人が一人立ってました、や、路を聞こう、声を懸けようと思う時、

近づく人に白鷺の驚き立つよう。

前途へすたすたと歩行き出したので、何だか気がさしてこっちでも立停ると、劇しく雪の降り来る中へ、その姿が隠れたが、見ると刎橋の際へ引返して来て、またするすると向うへ走る。

続いて歩行き出すと、向直ってこっちへ帰って来るから、私もまた立停るという工合、それが三度目には擦違って、婦人は刎橋の処で。

私は歩行き越して入違いに、今度は振返って見るようになったんだ。

そうするとその婦人がこう彳んだきり、うつむいて、さも思案に暮れたという風、しょんぼりとして哀さったらなかったから。

私は二足ばかり引返した。

何か一人では仕兼ねるようなことがあるのであろう、そんな時には差支えのない人に、力になって欲しかろう。自分を見て遁げないものなら、どんな秘密を持っていようと、声をかけて、構うまいと思ってね。

実は何、こっちだって味方が欲い。またどんな都合で腕車の相談が出来ないものでも無いとも考えたから。

お前さんどうしたんですッて。」

「まあ、御深切に、」と、話に聞惚れたお若は、不意に口へ出した、心の声。