Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ようきょくこくびゃくだん
謡曲黒白談
夢野 久作
Lesen Sie 謡曲黒白談 (ようきょくこくびゃくだん) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.288 Zeichen · 9 Bildschirme
こう考えて見ると、世上に謡曲亡国論の多いのも無理はない事で、その原因は皆斯様な脅迫的謡曲家が種を蒔いたという事に帰するであろう。於此乎斯道愛好者は宜しく冷静に熟慮反省して、決して人間界に於てこの声を発せず、換言すれば深山幽谷に去って哀猿悲鳥を共として吟ずるか、もしくは環海の孤島に退いて狂瀾怒濤に向って号叫すべしである。思えば吾輩も飛んでもない道楽を始めたものだ。
謡曲の廃物利用の事
この、下手謡曲に限って聞かせたい、又その相手は聞きたくないという心理状態は、近頃のように謡曲隆盛の昭代にその到る処深刻に又痛切に繰り返し繰り返し経験されて、恰も欧州戦前のバルカンの如く、日露戦前の竜岩浦の如く、如何なる名外交家と雖も後に瞠若たらしむる底の難解問題となっているのであるが、併し又世上にはこの外交上の大難問題を丸一の大神楽の如く自由に操縦して、逆に外交上の便宜に利用し、銀山鉄壁の如き上官、重役の威厳を指呼の間に土崩瓦解せしめ、又は槓杆でも動かぬ長尻の訪客を咄嗟の間に紙片のように掃き出して終うという辣腕家が時あってか出頭して、人天の眼を眩ぜしむるには驚かされるのである。