Japanische Klassiker mit Furigana
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まずしきひとびとのむれ
貧しき人々の群
宮本 百合子
Lesen Sie 貧しき人々の群 (まずしきひとびとのむれ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 59.959 Zeichen · 118 Bildschirme
夜中の大風は暁方になってから驟雨を誘った。
降ったり止んだりする雨は、かなり激しく往還を荒して幾条もの小流れが道の左右に付いて、中央に二本通っている車の轍(わだち)の跡の溝には、茶色の泥水がゴッゴッと云って流れて行った。
農民共は、皆家に籠って鞋(わらじ)造りや繩綯(な)いに時を費していたけれども、何かせずにはいられない子供等の一群は、村端れの雑木林へ入っていた。
そこには、秋の早い頃から名もない「きのこ」が沢山頭を出し、稀には「なめこ」が黄色な姿で小さい採集者を、得意の絶頂まで引摺り上げたりすることがあるので、今日も子供等は、わざと険しい天気に「菌(きのこ)がり」を始めたのである。
彼等は皆一生懸命に捜した。萱(かや)の刈跡を裸足の足の裏にくすぐったく感じながら、グングン林の奥へ奥へと進んだ。
薄い紙を濡らして重ねたようになっている落葉を掻き分けて爪の間に泥を一杯つめ込んだ彼等は、思わず掴んだ蚯蚓(みみず)を投げつけ合ったり、松葉でくすぐり合ったりしながら、先を争って行くと、一番先に立って林続きの墓地裏に入っていた一人の子は、何物か急に見つけたらしくピタリと足を止めて、注意深く前方を透した。