Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

まずしきひとびとのむれ

貧しき人々の群

宮本 百合子

Lesen Sie 貧しき人々の群 (まずしきひとびとのむれ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 59.959 Zeichen · 118 Bildschirme

Aozora Bunko

貧しき人々の群

宮本百合子

序にかえて

C先生。

先生は、あの「小さき泉」の中の、

「師よ、師よ

何度倒れるまで

起き上らねばなりませんか?

七度までですか?」

と云う、弟子の問に対して答えた、師の言葉をお覚えでございますか?

「否!

七を七十乗した程倒れても

なお汝は起き上らねばならぬ」

と云われて、起き上り得る弟子の尊さを、この頃私は、しみじみ感じております。

第一、先ず倒れ得る者は強うございます。

倒れるところまで、グン、グンと行きぬける力を、私はどんなに立派な、また有難いものだと思っていることでございましょう。

今度倒れたら、今度こそ、もうこれっきり死んでしまうかもしれない。

が、行かずにはいられない。行かずにはすまされない心。

ほんとうにドシドシと、

ほんとうにドシドシドシドシと、真の「自分の足」で歩き、真の「自分の体」で倒れ、また自ら起き上られる者の偉さは、限り無く畏(おそ)るべきものではございますまいか。

まだ心の練れていない、臆病な私は、若しや自分が、万一倒れるかもしれないことを怖がって、一尺の歩幅で行くところを、八寸にも七寸にも縮めて、ウジウジと意気地なく、探り足をしいしい歩きはしまいかということを、どれ位恐れているでございましょう。