Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
まずしきひとびとのむれ
貧しき人々の群
宮本 百合子
Lesen Sie 貧しき人々の群 (まずしきひとびとのむれ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 59.959 Zeichen · 118 Bildschirme
今日はどうしたのか、いつもよりよっぽど、小ざっぱりとしていて、さほど臭くもなければ穢なくもない。けれども、精神病者に特有な、妙に統一の欠けた手足の動かし方や、目の使いようが、却って凄く見えた。そして、先達て中よりは、すっかり痩せて、頬などはゲッソリこけている。皺も多くなったし、全体に弱っている。やはり酒などを飲んで、始終興奮状態が続いているのがすっかり堪(こた)えてしまったものと見える。
可哀そうな! あばれるようにでもなったらどうするのだろう。
私はぼんやり母から聞いた北海道の気違いの話などを思い出していた。すると、いきなり善馬鹿は、ニヤニヤしながら、
「飯が食いてえなあ俺らあ」
とつぶやいた。
云いようがあまり子供のようなので、私共は皆吹き出してしまった。けれども、私は下女と二人で丼の中に飯と、昼に煮た野菜と漬物を一緒に山盛りにしてまた、縁側の端へ置いた。
彼は直ぐそれをとった。そして地べたに坐りこむと足の間にそれを置いて両手で、食べ始めた。丼の中ばかりを見つめて、ほんとうにガツガツとまるで飢えた山犬のようにして、掻っ込んだのである。
見ているうちに、私はあさましくなってしまった。