Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
まずしきひとびとのむれ
貧しき人々の群
宮本 百合子
Lesen Sie 貧しき人々の群 (まずしきひとびとのむれ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 59.959 Zeichen · 118 Bildschirme
獣より情ない姿だ。こんな哀れな人間に生れるくらいなら、猫にでも生れた方がどんなに幸福だったか分らない。彼にとっても、また彼の周囲の者にとっても、遙かにその方がよかったのだと私は真面目に考えた。そして、見ているに忍びなくなって、後を向いてまた胡桃を挽き出した。パチパチいって破れる殻から、薄黄色い果を出しては、挽き臼でつぶすのである。
暫くすると、善馬鹿は食べてしまって、立ち上ったらしい気配がした。そして、よろけながら両手に空の破(われ)茶碗や丼を下げて、また耕地の方へ出て行く後姿を、私は、臼の柄につかまりながら、何ともいえない心持で見送っていた。秋めいた、穏やかな午後の日射しが、彼の蓬々頭の上に静かに漂っていた。
暑さのためと、気苦労で、養生の行き届かない新さんの病気は、時候の変り目になってからドッと悪くなった。
体中が腫(むく)んだので、立っていることさえ苦しいほどなのを、家にいればおふくろの厭味を聞かなければならないのが辛さに、跛(びっこ)を引き引きあてどもなく歩いて、林の中などに何か考えている新さんを見ると、村中のものは、ほんとに気の毒がって、どうにかしてよくしてやりたいものだと心から噂し合った。