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Japanische Klassiker mit Furigana

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あかいろうそくとにんぎょ

赤い蝋燭と人魚

小川 未明

Lesen Sie 赤い蝋燭と人魚 (あかいろうそくとにんぎょ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.570 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

誰でも、その絵を見ると、蝋燭がほしくなるように、その絵には、不思議な力と美しさとが籠っていたのであります。

「うまい筈だ、人間ではない人魚が描いたのだもの」と、お爺さんは感嘆して、お婆さんと話合いました。

「絵を描いた蝋燭をおくれ」と、言って、朝から、晩まで子供や、大人がこの店頭へ買いに来ました。果して、絵を描いた蝋燭は、みんなに受けたのであります。

するとここに不思議な話がありました。この絵を描いた蝋燭を山の上のお宮にあげてその燃えさしを身に付けて、海に出ると、どんな大暴風雨の日でも決して船が顛覆したり溺れて死ぬような災難がないということが、いつからともなくみんなの口々に噂となって上りました。

「海の神様を祭ったお宮様だもの、綺麗な蝋燭をあげれば、神様もお喜びなさるのにきまっている」と、その町の人々は言いました。

蝋燭屋では、絵を描いた蝋燭が売れるのでお爺さんは、一生懸命に朝から晩まで蝋燭を造りますと、傍で娘は、手の痛くなるのも我慢して赤い絵具で絵を描いたのであります。

「こんな人間並でない自分をも、よく育て可愛がって下すったご恩を忘れてはならない」と、娘はやさしい心に感じて、大きな黒い瞳をうるませたこともあります。