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Japanische Klassiker mit Furigana

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あかひげしんりょうたん

赤ひげ診療譚

山本 周五郎

Lesen Sie 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.351 Zeichen · 43 Bildschirme

Aozora Bunko

という、大工の頭梁の家へ弟子入りをした。藤吉は三年まえから大政にいたが、六人いる弟子たちの中ではいちばん新参でもあり、年も若く、しぜん誰よりも猪之と親しくなった。

「猪之は頭のいいやつで、すばしっこいし手も口もまめで、半年と経たないうちに、大政のにんき者になり、猪之、猪之とみんなから可愛がられるようになりました」

彼は大政の中だけでなく、近所の人たちにも評判がよく、ふしぎと女の子に好かれた。大政にはおしづとおさよという二人の娘があり、そのとき姉は十歳、妹は七歳だったが、姉妹はもとより、彼女たちの遊び友達もみんな猪之を好いていた。

――あたし大きくなったら猪之さんのおかみさんになるのよ。

――あらいやだ、あんたみたいなおかめを猪之さんが貰うもんですか、あのひとのお嫁さんになるのはあたしよ。

女の子が四五人で遊んでいると、よくそんな口喧嘩をしたものである。それを云ってからかうと、猪之は赤くなって怒った。

――へっ、と猪之は云う。へっ、なんでえ女なんか、かみさんなんか貰うかい、女なんてみんななっちゃねえや。

そして幾たびも「へっ」と云い、暫くは彼女たちに近よらないのであった。