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Japanische Klassiker mit Furigana

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あかひげしんりょうたん

赤ひげ診療譚

山本 周五郎

Lesen Sie 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.351 Zeichen · 43 Bildschirme

Aozora Bunko

七

ということであった。

「これでひととおりの話は終りです」と藤吉は二本めの徳利を取って、手酌で注ぎながら云った、「江戸へ帰ってからまもなく、あっしのほうの縁談が急に進んで、五月の末におちよを貰い、あっしたちは佐久間町のいまのうちへ移りました」

「その」と登が訊いた、「水戸のおせいとはどういうことがあったんだ」

「なんにもなかったんです」と藤吉は答えた、「猪之が話しにゆくと、奥に小部屋があるんですが、おせいはそこへ案内して、いきなりうれしいわと抱きついた、もうすぐ江戸へ帰るそうだけれど、そのときいっしょに伴れていってくれ、騙すと承知しないと云ったそうです」

「それでまたいやになったのか」

「まったく理屈に合やあしねえ」と藤吉は云った、「こっちから惚れていて、かみさんに欲しいとまで思いこんでいながら、相手がちょっとなにか云うと、――それも愛情が云わせるごくあたりまえなことなのに、その一と言でがらっと変っちまう、おぞ毛をふるうほど嫌いになっちまうんですから、あっしにはその気持がどうしてもわかりません」

七

登はその夜、新出去定にその話をした。おそらく興味はもつまいと思ったが、去定は関心を唆られたようすで、それからどうした、とあとを促した。