Japanische Klassiker mit Furigana
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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Lesen Sie 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.626 Zeichen · 45 Bildschirme
五郎吉はおふみより一つ年上の三十一、長男の虎吉が八歳、長女のおみよが六歳、二女のおいちが四歳、おみよまでが年子で、――長次は七歳だった。――長次は初めてのときから登になつき、登の顔を見るととびついて来て、帰るまで側からはなれなかった。二度目に訪ねたときのことだが、長次は銀杏の実を笊にいっぱい拾って来たところで、登にそれを見せ、この次に来たら先生にあげるよ、とないしょで云った。
「そんなにどうしたんだ」
「伊豆さまの屋敷だよ」と長次は云った、「伊豆さまの屋敷に大きな銀杏の樹があるだろう、風が吹くと、実が塀の外へ落ちるんだ」
「ずいぶんたくさんあるな」
「おれが一番さ」と云いながら、長次は勝手口の横の地面を掘って、その青臭い匂いのする実を埋めていった、「みんな拾いにいくけれど、おれにかなうやつはいやあしねえ、明日もまたいくんだ」それからまた力んで云った、「これいい値で売れるんだぜ」
登は戸惑ったような顔をし、ゆっくりと話をそらした。
「土に埋めてどうするんだ」
「こうやって六七日おくとね、上のこの臭い皮が腐って剥けちゃうんだ、そうしたら中から実を出して洗って干すんだよ」