Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あかひげしんりょうたん

赤ひげ診療譚

山本 周五郎

Lesen Sie 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.626 Zeichen · 45 Bildschirme

Aozora Bunko

と長次は云った、「おれが悪かったんだ、おれ、そのほかにも泥棒したことがあるもの、だから、とうちゃんとかあちゃんが怒って、もうだめだって、おれのような、泥棒をする子が出ちゃって、近所で泥棒だって云われちゃえば、もうおしまいだって、それでみんなで、死ぬことになったんだ。水を飲まして」

登は女房たちを見た。おけいが湯呑を取ろうとし、登は「きれいな晒木綿を」と云った。毒物を吐くときに喉を爛れさせているし、もうごくりと飲む力はないと思ったのだ。おけいが手拭をきれいに洗い、その端に水を浸みこませて持って来た。

登はその尖端を小さくまるめて、長次の口へ入れてやった。

「吸ってごらん」と登は云った、「舌でそっと吸うんだ、静かに、そう、静かに」

だが、長次は激しく噎せ、僅かばかり吸った水といっしょに、悪臭のあるものを嘔吐し、脱力した躯をねじ曲げてもがいた。

「おれが悪いんだからね、先生」少しおちついてから、長次はまた云った、「とうちゃんや、かあちゃんのこと、勘弁だよ、ね、勘弁だよ先生、わかったね」

「わかった」登は長次の手を握った、「よくわかったから少し眠るんだ、話をすると苦しくなるばかりだぞ」