Japanische Klassiker mit Furigana
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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Lesen Sie 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.626 Zeichen · 45 Bildschirme
「おきぬだって」とおけいがすり寄っていった、「あの女がなにか云ったのかい」
「あの子を死なしてやって」とおふみは云った、「そのままそっと死なしてやって下さい、あの子のためにもそれがいちばんなのよ」
「おふみさん」おけいは覗きこみ、いきごんで訊いた、「おまえはっきり云っとくれ、あのすべたあまが長坊のことをなにか云ったのかい、え、あいつがなにか云ったのかい、おふみさん」
おふみは顔をしかめた、「うちの人が島屋さんに呼ばれたの、そうしたらおきぬさんが店にいて、長のすることを見ていたって、証人になるって云ったそうよ」
「あのいろきちがいがかい」
「いいのよ、悪いのはこっちだもの、おきぬさんに罪はないわ」
「ちくしょう」と云っておけいは身を起こし、ぎらぎらするような眼で宙をにらんだ、「さかりのついた淫乱な雌犬みたような、あのちくしょうあまが、そんなしゃれたまねをしやがったのか」
「ごしょうだよ、おけいさん」とおふみが哀願するように云った、「迷惑をかけて済まないけれど、もうあたしたちのことはそっとしておいておくれ、長のやつもそのまま、死なしてやっておくれよ」
長次は明けがたに死んだ。