Japanische Klassiker mit Furigana
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せきがいせんおとこ
赤外線男
海野 十三
Lesen Sie 赤外線男 (せきがいせんおとこ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.889 Zeichen · 78 Bildschirme
もし夫人が相当の金を出したとしたら、深山は事務室の金庫を破る必要もなく、『赤外線男』をひねり出す苦労もしないで済んだことだろう。しかし京子夫人にそんな莫大の金の都合はつかなかった。夫人は死を選んだのだ。
そこへ、もう一人の女性、白丘ダリアという女がいけなかった。これは先天的に異常性を備えた人間だった。左の眼と、右の眼と、視る物の色が大変違うなんて、ほんの一つのあらわれだ。あの狒々のような大女は、自分と反対に真珠のように小さい深山先生に食慾を感じていろいろと唆かしたのだ。『赤外線男』も、ダリアから出たアイデアだったかも知れない。
しかしダリアの使嗾に乗った理学士も、金庫の金を盗んだり、それからダリアの喜びそうもない情婦桃枝のことを手紙から知られると、すっかりダリアに秘密を握られてしまった恰好になった。其の後に来るもの――それを考えると彼は安閑としていられなかった。そこで深山は、思い切って、ダリアが同じ室に寝泊りしているのを幸い、水素瓦斯を使って睡っている彼女を殺そうとしたが、水素乾燥用の硫酸の壜が爆発してダリアに目を醒まされ、不成功に終ってしまったのだ。