Japanische Klassiker mit Furigana
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せきがいせんおとこ
赤外線男
海野 十三
Lesen Sie 赤外線男 (せきがいせんおとこ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 38.889 Zeichen · 78 Bildschirme
を見たといって、いろいろな話をしたが、本当は一度も見たわけじゃなかったのだ。それは彼が便宜上拵えた創作的観念であって、実在ではなかった。
何故そんなことをやったかというと、始めはあの新説で世間を呀ッと云わせて虚名を博しよう位のところだったらしいが、いよいよというときには事務室の金庫から彼が消費こんだ大金の穴埋めに、『赤外線男』を利用したわけだった。研究室が潮に襲われると、逸早く彼は避難したのだったが、そのチャンスを巧くとらえて、潮のかえった後の自室や事務室を散々自分で破壊してあるき、自ら変圧器の上にあがると、自分の身体を縛ったのだ。智恵のある人間には訳のないことだ。
しかしこの犯行の裏には三人の女が隠れているんだ。そういうと不思議に思うだろうが、一人は情婦という評判の女・桃枝だ。この女には秘密に大分貢いだものらしい。金庫の金に手をかけたのも、この女のためだ。
もう一人の女は子爵夫人京子だ。これには潮が云ってたように色ばかりではなく、むしろ慾の方が多かったのだ。夫人と潮との秘交を赤外線映画にうつしたのは、夫人に挑むことよりも莫大な金にしたかったのだ。