Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぐんこくかようしゅう

軍国歌謡集

山川 方夫

Lesen Sie 軍国歌謡集 (ぐんこくかようしゅう) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.655 Zeichen · 80 Bildschirme

Aozora Bunko

彼女は、せいぜい高校生ていどの年令のようで、私たちの想像していた気むずかしげなオールド・ミスとは、まるっきりイメージが違っていた。案外、定時制高校の生徒なのかもしれなかった。私はなんとなくあてがはずれた気がしていた。

だが、私はひどく愉快だった。そのようにして歌の主の顔をおぼえ、あらあらしく不意に土足で乱入したみたいに、娘に強引に私という一人の他人の存在を気にとめさせたのが愉快であり、意地のわるい歓びを私にあたえていた。

窓を閉め、電燈のコードをもとどおりに直すと、私は仰向けに畳に寝ころがって、くすくすとながいこと笑いつづけた。私は、娘にも大チャンにも、ザマアミロ、といった気分にこそなれ、悪いことをしたとか、すまないとかいう気持ちにはまったくなれなかった。他人というやつは、いつも残酷なものだ。人間には、いつだってそんな他人というやつが存在していて、他人は、いつだって人間を一人きりの世界になんて住まわせておいてはくれないのだ。それがあたりまえで、それが世の中というものだ。だから、こんなことくらい、べつに大したことじゃあない。多かれ少かれ、人間はみんな他人に耐えているのだ。