Japanische Klassiker mit Furigana
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れんかんき
連環記
幸田 露伴
Lesen Sie 連環記 (れんかんき) von 幸田 露伴 (こうだろはん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 49.281 Zeichen · 95 Bildschirme
此女が定基に対して求めたことは無論恋敵の力寿を遠ざけることであったろうが、定基は力寿に首ったけだったから、それを承知すべくは無いし、又直截な性質の人だったから、吾が妻に対することでは有り、にやくやに云紛らして、泥滞水の挨拶を以て其場を済ませて置くというようなことも仕無かったろうから、次第次第に夫婦の間は険悪になっていったであろう。ところが、飢えたる者は人の美饌を享くるを見ては愈々飢の苦を感ずる道理がある。飽ける者は人の饑餓に臨めるを見ては、余計に之を哀れむの情を催す道理がある。ここに定基に取っては従兄弟同士である大江匡衡があった。匡衡は大江維時の嫡孫であって、家も其格が好い。定基は匡衡の父重光の弟の斉光の子で、しかも二男坊である。匡衡定基はおよそ同じほどの年頃であるが、才学は優劣無いにしても匡衡は既に文名を馳せて大に称せられている。それやこれやの関係で、自然定基は匡衡に雁行する位置に立って居る。そこへ持って来て匡衡は、定基が妻を迎えたと彼是同じ頃に矢張り妻を迎えたのである。いずれもまだ何年もたたぬ前のことである。匡衡は七歳にして書を読み、九歳にして詩を賦したと云われた英才で、祖父の維時の学を受け、長じて博学、渉らざるところ無しと世に称せられていた。