Japanische Klassiker mit Furigana
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しぜんかいのきょぎ
進化と人生(下)
丘 浅次郎
Lesen Sie 進化と人生(下) (しぜんかいのきょぎ) von 丘 浅次郎 (おかあさじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.568 Zeichen · 109 Bildschirme
おそらく染物屋が白木綿を紺で染めたり、紺木綿の色を白く抜いたりするのを見て、このような考えを起こしたのかもしれぬが、形を抜いて性だけを残すことはすこぶる困難であろう。人間が死ぬと身体から魂が抜け出すごとくに考える人らは、つねづね生きた人生をもって、死骸の魂染めであるごとくに見なしているわけであるが、その源は前に述べたとおり言葉にとらえられて、境界のないところに境界を造り自分の張った繩に自分で引っかかって迷うているにほかならぬ。
かような下地のあるところへ、霊魂なるものが、別に存するごとくに思わせる事情がたくさんにあるので、だれもかれもがかく考えるようになった。その事情とは、人間の知識では解釈しかねることが天地間に無数に存することである。人間の素性を考え、昨日までは猿のごときものであったことを思えば、人間の知恵で分からぬことが無数にあるのはもとより当然であるが、そこには心付かず、分からぬことには何とか理屈をつけて分かったごとき心持ちになりたがるゆえ、いよいよ霊魂が必要になってくる。何か不思議なことが起こった場合に、これを霊魂の仕業とみなせば、それでひとまずわけが分かったごとき心持ちになることができる。