Japanische Klassiker mit Furigana
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しぜんかいのきょぎ
進化と人生(下)
丘 浅次郎
Lesen Sie 進化と人生(下) (しぜんかいのきょぎ) von 丘 浅次郎 (おかあさじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.568 Zeichen · 109 Bildschirme
自然界の虚偽
天真爛漫ともいい、「天に偽りはなきものを」ともいうて、天には偽りはないものと、すでに相場が定まっているようであるが、その天の字を冠らせた天然界はいかにと見渡すと、ここには詐欺、偽りはきわめて平常のことで数限りなく行なわれている。そのもっともいちじるしい例は小学校用の読本にもでているゆえ、普通教育を受けた者なら誰も知っているであろう。
動物には自身を他物に似せて敵の攻撃をのがれるものがいくらもある。南洋に産する「木の葉蝶」、内地いたるところに産する「桑の枝尺取り」などはその最も知られた例であるが、「木の葉蝶」は翅の表面のあざやかなるに似ず、その裏面は全く枯葉のとおりで、葉脈に似た斑紋があり、虫の食うた孔のごときところもあり、加うるに翅の全形が木の葉の形と寸分もたがわぬゆえ、翅をたたんで枝にとまると、たとい目の前にいても、真の枯葉とまぎらわしく、とうてい発見することはできぬ。また「桑の枝尺取り」というのは一種の蛾の幼虫で、色も形も桑の短い枝と少しもちがわぬゆえ、この虫が幹からある角度をなして立っていると、だれが見ても、真の桑の枝であるとより思われぬ。