Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
うんめいのままに
運命のままに
豊島 与志雄
Lesen Sie 運命のままに (うんめいのままに) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.406 Zeichen · 57 Bildschirme
」
私は遠慮なく菓子や珈琲に手を出した。そして春子さんの言葉にいい加減調子を合わせながら、殆んど英子の方を見なかった。
「お父さんから送って来た絵葉書をお目にかけてごらん。」と春子さんは英子の方に云った。
「はい」と云って英子は立ち上って、自分の室から美しいアルバムを持って来た。それには南洋の自然人物の絵葉書が幾つも挾んであった。私は欝蒼たる熱帯の草木や、炎熱の下の人類や、獰猛な野獣の群を見た。それからまた大洋の上を軍艦に乗って航している英子の父の姿を思い浮べた。春子さんは絵葉書について私に種々な質問をした。
私は春子さんのいつに変わらぬ何の屈託もなさそうな和らいだ顔を見て、妙な気持ちを覚えた。
「私は一寸旅に出てくるつもりです。」と私は云った。
「温泉にでも行らっしゃるのですか。」
「ええまだはっきり決めては居ませんが。……暫く御無沙汰するかも知れません。」
それまで黙っていた英子が私の方をじっと眺めたことを私は感じた。
「お一人でいらっしゃいますの。」と春子さんは尋ねた。
「ええ。」
「それではじきに厭きておしまいになりますよ、屹度。」
「厭きたら帰って来るまでです。