Japanische Klassiker mit Furigana
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うんめいのままに
運命のままに
豊島 与志雄
Lesen Sie 運命のままに (うんめいのままに) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.406 Zeichen · 57 Bildschirme
五
そして胸のうちに憂鬱な寂寥がひしひしと寄せて来た。私は暗い荒野のうちにぽつりと置かれた自分の魂を見るような気がした。
私は起き上って催眠剤を飲んだ。そして苦しい眠りに陥っていった。
五
翌日から三日間私は風邪の心地で床に就いていた。起き上れないほどのことは無かったが、妙に身内に力がぬけたようで凡てが大儀に思われたのである。
然し私はその間に英子に長い手紙を書いた。自分でも知らない悲愴な感激が私のペンをぐんぐん走らせようとしたが、私はそれを強いて押えて、一句一句に力を籠めて書いていった。私の愛の信念を許してくれるように、と私は先ず手紙を初めた。私は彼女に何も求めはしないこと、ただ彼女自身の運命に忠実であってくれるようにということ、若々しい詐瞞に陥らないで全人格的に行動してくれるようにということ、それから私達の愛が如何にこれまで力強く築かれて来たかということ、その愛を破壊することは私にとって自分の生活力を破壊するほどの打撃であること、然し二人の運命が一つに綯われ得ないものであるなら私は然して自分の力を試してみようということ、それを思うと自分の魂が戦慄すること、また如何なることがあろうとも私の愛の信念に変りはないこと、少くとも私の心だけは受けてくれるようにと云うこと、そんなことを私は認めた。