Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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とおのへ

遠野へ

水野 葉舟

Lesen Sie 遠野へ (とおのへ) von 水野 葉舟 (みずのようしゅう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 55.903 Zeichen · 117 Bildschirme

Aozora Bunko

……その中に秋も十月の末ごろになると、風が恐ろしく荒くなって、空が今晴れたかと思うと、見る間に一面灰色になってしまう。その頃がくると荻原は気でもちがわねばいいがと思うほど、その顔が曇って沈んで、そしてじれて、傍からはとても慰めることができないほどに、その胸の中の思いに弄ばれている。

いつも淋しい顔をして、ぽつねんと一方を見つめて、坐っているか、さもなくば、朝も昼もなく、布団をひっかぶって、ぐうぐうねている。そして、夕方になると、急に目をさまして、ぶらりとどこかに出かけて行く。あまりいつもいつも眠っているから、ゆり起こして、

「いくらねたらいいんだ?」

と聞くと、さもねむそうな眼をあげて、余計なことをするっていう顔付きをしながら、

「ああねむい!」

と言って大きな吐息をつく。そして一向学校にも行く様子がないから、なぜかと聞くと、学校の方は今年は一年遊ぶのだといって平気な顔をしている。

ある時に、用があってその室に行って見ると、もう日が落ちてしまったのに、室の中はまっくらだから、いないのかと思って開けた唐紙を閉めようとすると、机のわきに黒いものが、うごめくと、突然、