Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さけもたべものも

酒も食べ物も

山本 周五郎

Lesen Sie 酒も食べ物も (さけもたべものも) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.845 Zeichen · 6 Bildschirme

Aozora Bunko

食べ物に戻るが、――幼ない子供にこういう陋習を教えるような父親だったから、貧乏ぐらしをしながら、侍の誇りとかいうものを生活の大黒柱のように考えていたらしい。お祭でも神輿を担いだり山車を曳いたりしては「いけない」、足を投げだして坐っては「いけない」、親に口答えをしては「いけない」、その他もろもろ、朝から晩までいけない、いけないの連続であるが、私がもっとも抵抗を感じたのは食べ物のことであった。

侍は質素倹約でなければならない、という頑強な信念のもとに、食事は一汁一菜より好みをすることはゆるされない。茶碗や箸の音をさせてはいけない、おかずを残してはいけない。その他もろもろというしだいであるが、私はまえに記したとおりおかずっ食いであって、それも脂っこいうまい物が三品くらいなければ腹の虫がおさまらないというわけです。私のおやじは貧乏なくせに眼玉の大きな、親類じゅうから煙たがられている、酒の飲めない、吝嗇な、やかまし屋でありました。けれども私もまた小さいじぶんから強情な食いたしんぼで、そんなおやじの眼玉ぐらいを恐れて食べたい物も食べずにいるような腰の弱いちびではなかった。