Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
のわき
野分
山本 周五郎
Lesen Sie 野分 (のわき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.401 Zeichen · 42 Bildschirme
「尤もだ、私もそう思う」又三郎はまじめに答えた、「……たしかに私が戸沢家を継ぐのは将来のためではない、そして、私にもそんな積りはまるでないんだ」
「と仰しゃると、詰りどうなのです」
「私は決して跡目には直らない、そればかりではなく、武士であることさえやめる積りだ」
「ははあ」と、脇のほうで云う者があった、「……その手で来るか」
又三郎はそっちへ向いた。すると背丈の低い、ずんぐりとまるく肥えた男が、頭巾の間から眼をぎらぎら光らせながら詰寄って来た。
「そんな切って篏めるような言葉を我われが信ずるとでも思うんですか、こっちはまじめなんだ、あなたも能登守の御胤ならもう少し堂々とやったらどうです」
「するとそこもとは、私がでたらめを云うとでも」
「でたらめでないなら」とその男は性急に叫んだ、「……もし本心なら問題がここまで来ないうちにその意志を表明すべきではないか、明日は御親子対面という運びの今夜になって、然もこういうどたん場へ来て云うなどとは人を愚にしたはなしだ、覚悟をきめたらどうです」
そうか、明日はもう父と会う運びになっているのか、又三郎は「親子対面」という言葉に胸をうたれた。