Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

のわき

野分

夏目 漱石

Lesen Sie 野分 (のわき) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.508 Zeichen · 189 Bildschirme

Aozora Bunko

杉の葉の青きを択んで、丸柱の太きを装い、頭の上一丈にて二本を左右より平に曲げて続ぎ合せたるをアーチと云う。杉の葉の青きはあまりに厳に過ぐ。愛の郷に入るものは、ただおごそかなる門を潜るべからず。青きものは暖かき色に和げられねばならぬ。

裂けば煙る蜜柑の味はしらず、色こそ暖かい。小春の色は黄である。点々と珠を綴る杉の葉影に、ゆたかなる南海の風は通う。紫に明け渡る夜を待ちかねて、ぬっと出る旭日が、岡より岡を射て、万顆の黄玉は一時に耀く紀の国から、偸み来た香りと思われる。この下を通るものは酔わねば出る事を許されぬ掟である。

緑門の下には新しき夫婦が立っている。すべての夫婦は新らしくなければならぬ。新しき夫婦は美しくなければならぬ。新しく美しき夫婦は幸福でなければならぬ。彼らはこの緑門の下に立って、迎えたる賓客にわが幸福の一分を与え、送り出す朋友にわが幸福の一分を与えて、残る幸福に共白髪の長き末までを耽るべく、新らしいのである、また美くしいのである。

男は黒き上着に縞の洋袴を穿く。折々は雪を欺く白き手拭が黒き胸のあたりに漂う。女は紋つきである。裾を色どる模様の華やかなるなかから浮き上がるがごとく調子よくすらりと腰から上が抜け出でている。