Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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のわき

野分

夏目 漱石

Lesen Sie 野分 (のわき) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.508 Zeichen · 189 Bildschirme

Aozora Bunko

おっつけ帰りましょう。どうぞ御緩くり」と例の火鉢を出す。

「もう御構なさるな。――どうもなかなか寒い」と手を翳す。

「だんだん押し詰りましてさぞ御忙がしゅう、いらっしゃいましょう」

「へ、ありがとう。毎年暮になると大頭痛、ハハハハ」と笑った。世の中の人はおかしい時ばかり笑うものではない。

「でも御忙がしいのは結構で……」

「え、まあ、どうか、こうかやってるんです。――時に道也はやはり不相変ですか」

「ありがとう。この方はただ忙がしいばかりで……」

「結構でないかね。ハハハハ。どうも困った男ですねえ、御政さん。あれほど訳がわからないとまでは思わなかったが」

「どうも御心配ばかり懸けまして、私もいろいろ申しますが、女の云う事だと思ってちっとも取り上げませんので、まことに困り切ります」

「そうでしょう、私の云う事だって聞かないんだから。――わたしも傍にいるとつい気になるから、ついとやかく云いたくなってね」

「ごもっともでございますとも。みんな当人のためにおっしゃって下さる事ですから……」

「田舎にいりゃ、それまでですが、こっちにこうしていると、当人の気にいっても、いらなくっても、やっぱり兄の義務でね。