Japanische Klassiker mit Furigana
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のわき
野分
Lesen Sie 野分 (のわき) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.508 Zeichen · 189 Bildschirme
十一
そんな事をやるとまた人様に御迷惑がかかりましょうね」
「どうせまた過激な事でも云うのですよ。無事に済めばいいが、つまらない事を云おうものなら取って返しがつかないからね。――どうしてもやめさせなくっちゃ、いけないね」
「どうしたらやめるでござんしょう」
「これもよせったって、頑固だから、よす気遣はない。やっぱり欺すより仕方がないでしょう」
「どうして欺したらいいでしょう」
「そうさ。あした時刻にわたしが急用で逢いたいからって使をよこして見ましょうか」
「そうでござんすね。それで、あなたの方へ参るようだと宜しゅうございますが……」
「聞かないかも知れませんね。聞かなければそれまでさ」
初冬の日はもう暗くなりかけた。道也先生は風のなかを帰ってくる。
十一
今日もまた風が吹く。汁気のあるものをことごとく乾鮭にするつもりで吹く。
「御兄さんの所から御使です」と細君が封書を出す。道也は坐ったまま、体をそらして受け取った。
「待ってるかい」
「ええ」
道也は封を切って手紙を読み下す。やがて、終りから巻き返して、再び状袋のなかへ収めた。何にも云わない。
「何か急用ででもござんすか」
道也は「うん」