Japanische Klassiker mit Furigana
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のわき
野分
Lesen Sie 野分 (のわき) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.508 Zeichen · 189 Bildschirme
「追い出されましたかと聞かなくってもいいさ」
「しかし容易に聞きにくい男だよ。ありゃ、困る人だ。用事よりほかに云わない人だ」
「そんなになったかも知れない。元来何の用で君の所へなんぞ来たのだい」
「なあに、江湖雑誌の記者だって、僕の所へ談話の筆記に来たのさ」
「君の談話をかい。――世の中も妙な事になるものだ。やっぱり金が勝つんだね」
「なぜ」
「なぜって。――可哀想に、そんなに零落したかなあ。――君道也先生、どんな、服装をしていた」
「そうさ、あんまり立派じゃないね」
「立派でなくっても、まあどのくらいな服装をしていた」
「そうさ。どのくらいとも云い悪いが、そうさ、まあ君ぐらいなところだろう」
「え、このくらいか、この羽織ぐらいなところか」
「羽織はもう少し色が好いよ」
「袴は」
「袴は木綿じゃないが、その代りもっと皺苦茶だ」
「要するに僕と伯仲の間か」
「要するに君と伯仲の間だ」
「そうかなあ。――君、背の高い、ひょろ長い人だぜ」
「背の高い、顔の細長い人だ」
「じゃ道也先生に違ない。――世の中は随分無慈悲なものだなあ。――君番地を知ってるだろう」
「番地は聞かなかった」
「聞かなかった?」