Japanische Klassiker mit Furigana
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のわき
野分
Lesen Sie 野分 (のわき) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.508 Zeichen · 189 Bildschirme
これは帯に拘泥するからである。しかしこれは自慢の例じゃ。得意の方は前云う通り祟りを避け易い。しかし不面目の側はなかなか強情に祟る。昔しさる所で一人の客に紹介された時、御互に椅子の上で礼をして双方共頭を下げた。下げながら、向うの足を見るとその男の靴足袋の片々が破れて親指の爪が出ている。こちらが頭を下げると同時に彼は満足な足をあげて、破れ足袋の上に加えた。この人は足袋の穴に拘泥していたのである。……」
おれも拘泥している。おれのからだは穴だらけだと高柳君は思いながら先へ進む。
「拘泥は苦痛である。避けなければならぬ。苦痛そのものは避けがたい世であろう。しかし拘泥の苦痛は一日で済む苦痛を五日、七日に延長する苦痛である。いらざる苦痛である。避けなければならぬ。
「自己が拘泥するのは他人が自己に注意を集注すると思うからで、つまりは他人が拘泥するからである。……」
高柳君は音楽会の事を思いだした。
「したがって拘泥を解脱するには二つの方法がある。他人がいくら拘泥しても自分は拘泥せぬのが一つの解脱法である。人が目を峙てても、耳を聳やかしても、冷評しても罵詈しても自分だけは拘泥せずにさっさと事を運んで行く。