Japanische Klassiker mit Furigana
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ななこ
野菊の墓
伊藤 左千夫
Lesen Sie 野菊の墓 (ななこ) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.271 Zeichen · 144 Bildschirme
省作はただ笑う仲間にばかりなって一向に話はできない。満蔵はもう一俵の米を搗き上げてしまった。兄は四俵の俵をあみ上げる。省作の繩ないはやはりおはまの仲間で、二人とも二把の藁がない切れない。兄はもう家じゅう手ぞろいで仕事をすればきげんはよい。
「はま公、そんなににわかに稼ぎださなくともえいよ。天気のえい時にはみっちら働いて、こんな日にゃ骨休めだ。これがえいのだ。なまけて遊んだっておもしれいもんでねい。はまア薩摩芋でも煮ろい」
おはまは竈屋へゆく。省作は考えた。兄は一に身上二に丹精で小むずかしい事ばかりいうてわからない人とのみ思っていたに、今日の話はなかなかわかってる。なるほどこれがえいのだ。これでおもしろいのだ。みんなしてこうしておもしろく働くがえいのだろう。田園生活などいうても、百姓の辛労を見物ものにして、百姓の作ったものをぶらぶら遊んで見ていたって、そりゃ本当の田園趣味でない。なるほどおれも百姓になろう。百姓は骨が折れるからとばかり思って、とかく本気に百姓しようと思わなかったけれど、考えると兄のいうことがほんとうだ。百姓になろう百姓になろう。そう考えてみると、なるほどおとよさんは立派な女だ。