Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
きんのうお
金の魚
小川 未明
Lesen Sie 金の魚 (きんのうお) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 4.768 Zeichen · 10 Bildschirme
「ほんとうに、そんなところがあるのではなかろうか。」と、考えていました。
すると、ちょうど町に入ってきた薬売りがありました。金持ちは、薬がきいても、きかなくても、薬売りが入ってくれば、かならず買ったのであります。
「おまえさんは、諸国を旅してまわんなさるが、もしやみかんのなる山のふもとで、海のほとりに町があって、そこからよくきく温泉の出るところをお知りになりませんか。」と、金持ちは、薬売りにたずねたのであります。
「そういうところは、私は、幾か所も見ました。みかんの園が山にあって、その下に海があって、町のあるところで温泉の出るところは、幾か所も見ました。」と、薬売りはいいました。
「なんでも私が夢に見たのは、赤い旗がひらひらとひるがえっていましたが。」と、あわれな病人の金持ちはいったのです。
「赤い旗のなびいていると、ああ、それはここからたいへん遠い南の国でありますよ。私が、たしかに見覚えがあります。しかし、その町を過ぎたのは、三年前でした。」と、薬売りは答えました。
金持ちは、いろいろその町のことを薬売りから聞いて深い思いに沈んでいました。
ある日、金持ちは、たくさんのお金を馬に積んで人の知らぬ間に、南の国を指して、今生の思い出に朝早く旅立ちをしたのでありました。