Japanische Klassiker mit Furigana
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きんぞくにんげん
金属人間
海野 十三
Lesen Sie 金属人間 (きんぞくにんげん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 78.616 Zeichen · 157 Bildschirme
犯人と思われる者のすがたを見、または足音を聞かなかったか。それから最初にこの事件に気がついたのは何時ごろだったか、などについて訊問していった。
これに対する博士の答えは、かんたんであり、そして明瞭であった。
それによると、博士は昨夕いらい、徹夜実験をつづけていたこと。犯行の音も聞かず、犯人のすがたも見なかったこと。そして博士はその徹夜のうち、二度ばかり実験室を出てかわやへいっただけで、他は実験室ばかりにいたことを述べた。
検事は、博士のことばについて、いろいろとものたりなさを感じた。あれだけの殺人が、十間ほどはなれているにしても、同じ屋根の下で行なわれたのに、被害者の声も耳にしなかったというのはおかしく思われた。
「じゃあ、誰がお三根を殺したと思われますか。ご意見を参考までにお聞きしたいのですが」
「知らんです。人の私行については興味を持っていません」
「まさかあなたがその下手人ではありますまいね」
検事のこのことばは、はじめてこの無神経な冷血動物のような博士を、とびあがらせる力があった。
「な、何ですって。ぼくが殺したというのですか。どこにぼくがこの女を殺さねばならない必要があるのです。