Japanische Klassiker mit Furigana
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きんぎょうり
金魚売り
小川 未明
Lesen Sie 金魚売り (きんぎょうり) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 3.210 Zeichen · 7 Bildschirme
「金魚やい、金魚やい――。」と、呼びました。
子供たちが、その声を聞きつけて、どこからかたくさん集まってきます。その子供たちは、なんとなく乱暴そうに見えました。金魚の泳いでいる中へ棒をいれて、かきまわしかねないように見えました。おじいさんは、そうした子供たちには、売りたいとは思いませんでした。
「きれいな金魚だね。」
「僕は、こいのほうがいいな。」
「こいは、河にすんでいるだろう。」
「いつか、僕、釣りにいったら、大きなこいが、ぱくぱく、すぐ僕の釣りをしている前のところへ浮いたのを見たよ。」
「赤かったかい。」
「黒かった。すこし、赤かった。」
「うそでない。ほんとうだ。」
その乱暴そうな子供たちは、もう金魚のことなんか忘れてしまって、棒を持って、戦争ごっこをはじめたのです。
おじいさんは、笑い顔をして、子供たちが無邪気に遊んでいるのをながめていましたが、やがて、あちらへ歩いてゆきました。村を離れると、松の並木のつづく街道へ出たのであります。その松の木の根に腰をかけて、じっと、おけの中にはいっているたくさんな金魚の姿をながめていました。こうして、おじいさんは、自分の育てた金魚は、残らず目の中に、はっきりとはいっていたのでした。