Japanische Klassiker mit Furigana
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きんぎょうり
金魚売り
小川 未明
Lesen Sie 金魚売り (きんぎょうり) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 3.210 Zeichen · 7 Bildschirme
長い道をおじいさんにかつがれて、知らぬ町から町へ、村から村へゆく間に、金魚は、自分の兄弟や、友だちと別れなければなりませんでした。そして、それらの兄弟や、友だちとは、永久に、またいっしょに暮らすこともなければ、泳ぐこともなかったのです。もとより自分たちの生まれて、育てられた故郷の小さな池へは帰ることがなかったでしょう。
金魚は、なにもいわなかったけれど、おじいさんは、よく、金魚の心持ちがわかるようでした。あまり長い、毎日の旅にゆられて、中には、弱った金魚もありました。そんなのは、別の器の中にいれて、みんなと別にしてやりました。なぜなら、達者で、元気のいいのがばかにするからです。そのことは、ちょうど人間の社会におけると違いがありません。弱いものに対して、憐れむものもあれば、かえって、それをあざけり、いじめるようなものもありました。
おじいさんは、おけに鼻を打たれたり、また揺られたために弱った金魚をいっそうかわいがってやりました。
ある日のこと、おじいさんは、金魚のおけをかついで、「金魚やい、金魚やい――。」と呼びながら、小さな町へはいってきました。