Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きんぽうさいき

金鳳釵記

田中 貢太郎

Lesen Sie 金鳳釵記 (きんぽうさいき) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.167 Zeichen · 13 Bildschirme

Aozora Bunko

長い間あんたの方から便りがないものだから、妻は嫁入りの時期を失うから、他から婿を取ると言ったが、わしは、あんたのお父さんと約束があるから、それには耳を傾けなかった、あれもまた決して、他へ往こうとせずに、あんたのことを言い言い死んで往ったのじゃ、あれは十九じゃ」

防禦の声はかすれて聞えた。興哥はもう泣いていた。

「申しわけがありません、父なり私なりが、早く迎えにあがるはずでしたが、母が歿くなりましたので、その喪でも明けたらと思っておりますと、また父が歿くなりましたので、またまた喪に籠りまして、喪が明けるなり急いで参りましたが、申しわけがありません」

「いや、こうなるのも運命じゃ、しかし、あれは歿くなっても、わしはやっぱりあんたの婦翁じゃ、いつまでも助けあって暮そう、それにあんたも、もうお父さんもお母さんもないから、わしの家にいるがいい」

「はい」

「では、あれの位牌に、あんたの帰ったことを知らしてやろう」

そこへ興娘の母親が出てきた。三人は打ち連れて興娘の位牌を置いてある室へ往って、その前で楮銭を焚いたが、三人の眼には新しい涙が湧いていた。

興哥は防禦の家に止まることになり、自分の室にあてがわれた門の側の小斎へ入った。