Japanische Klassiker mit Furigana
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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき
釘抜藤吉捕物覚書
林 不忘
Lesen Sie 釘抜藤吉捕物覚書 (くぎぬきとうきちとりものおぼえがき) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.907 Zeichen · 32 Bildschirme
「こうでごぜえやすか。」
「何ですか、よっぽど変な御探索でございますねえ。」
実際それは、いかにも奇異な光景だった。大の男ふたりと若い女が、どうなることかと恐しそうに並んで、素の足を投げ出している。文字若の足からは湯文字が溢れて、雪を欺くような肌、象牙細工のような指、ほんのり紅をさした爪の色――恥らいを含んで足さきをすぼめた文字若は、絶えず微笑を続けていた。
犬のように両手を突いた藤吉である。初太郎と宇之吉の足はざっと見たばかりで、かれの眼は、吸われるように文字若の足の裏に据って、動かない、舐めんばかりに顔を寄せて見入っている。文字若は、嬌態を作って、足を引っこめようとした。
「ありゃあ、いやですよ、親分さん。」
「まあ、待て。」その足首に藤吉の手がかかった。「変てこれんじゃあねえか。え、こう、弁天様の足のうらにゃ、胡麻の油が付いてるものけえ。」
さっ!――と、文字若の顔から血の気が引いて、藤吉の手を蹴り解いてき起とうとした刹那、
「親分、おっしゃったとおりありやしたよ。」
のそりと彦兵衛がはいって来た。手に、お美野が着て死んでいたのと同じ荒い滝縞の丹前、一連の細引きを持って――、