Japanische Klassiker mit Furigana
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すずきもんど
鈴木主水
久生 十蘭
Lesen Sie 鈴木主水 (すずきもんど) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.827 Zeichen · 26 Bildschirme
またこんなこともあった。おなじ正月の十一日、池の端の下邸に尾張侯、酒井日向守、酒井大学頭、松平摂津守などを招いて恒例の具足祝いをしたが、酒狂乱舞のさなか、見あげるような蓬莱山のつくりものを据えた十六人持ちの大島台を担ぎだし、播磨守が手を拍つと、蓬莱山が二つに割れて、天冠に狩衣をつけ大口を穿いた踊子が十二、三人あらわれ、「人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻のごとくなり」と幸若を舞った。
それですめばよかったが、取調べにきた横目に、政岑が今日はめずらしいものを聞かせると、書院の上段に簾を掛け、妾のお糸の方に三味線をひかせて豊後節を一段ばかり語り、平服に替えて出てきて、
「御気鬱のせつは、いつなりとござれ。このつぎには弾語りをご馳走しよう」
と嘲弄するようなことをいった。横目の山村十郎右衛門はさすがに気色を損じ、苦い顔で帰って行った。
放埒だけならまだしも助かるが、殊更、幕府の忌諱に触れるような所行ばかりする。政道に不平を抱いているかのように推測られ、幕府の諸侯取潰しの政策に口実を与えるような危険な状態になった。御家門の越後侯ですら、家中仕置不行届で領地を召しあげられ伊予の果てへ押籠めになった。