Japanische Klassiker mit Furigana
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えんぴつのしん
鉛筆のしん
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 鉛筆のしん (えんぴつのしん) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 2.556 Zeichen · 6 Bildschirme
「三等は満員で、とても乗れないよ」
「いえ、次の車はそう混んではいません」
「いや、混んでるよ」
ふたりは、こんな押問答をしていましたが、この青年は急に声を荒立てて、
「何いってやがるんだい! 民主主義の世の中だぞ! 二等も三等もあるものか!」
と、どなりつけました。車掌さんは、すごすごと、次の車にいってしまいました。
私は、アメリカの友人にこの話をして、
「あなたたちが、民主主義という考え方を教えてくれたばかりに、日本は迷惑してますよ」
と、冗談をいいましたら、その人は、
「それはきみ、ジャップ・デモクラシイ(日本民主主義)ですよ」
と、大笑いしました。
三等の切符を持っている人は、二等車に乗らないというのが、正しい民主主義の考え方なのです。それを、三等の切符で二等車に乗るのが民主主義だといばっているのですから、全く逆の話です。これではまるで、大雨の中でずぶぬれになりながら、
「ああ、いいお天気だ」
と、喜んでいるようなものです。
これは、少し極端なお話で、列車の中では今は、もうこんなことは見られなくなってきましたが、しつけのことについては、これと同じようなことが、まだまだあるのではないでしょうか。