Japanische Klassiker mit Furigana
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はちのき
鉢の木
山本 周五郎
Lesen Sie 鉢の木 (はちのき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.534 Zeichen · 28 Bildschirme
「この家にさような作法はない」きっぱりはねつける面前へ「……踏みこむぞ」とかれは式台へ足をかけた、家僕ははじかれたように立って狼藉者と叫んだ、「出会え、狼藉者だ」するとその声を待っていたように、脇玄関のほうから四郎兵衛のうしろへ、ばらばらと七八人の者がとびだして来た、みんな屈竟な男たちで、六尺棒を持ち素槍をとっている者さえある。四郎兵衛は片足を式台へかけたままふり返り、左手にぐいと刀をひきそばめた。しかしそのとき、廊下を走って来るあわただしい足音が聞え、「しずまれ、しずまれ」と云いながら又左衛門が玄関へあらわれた。
手燭を持った少年をつれて玄関へあらわれた又左衛門は、庭さきの男たちを叱してさがらせた、からだに似げなくきびきびとした挙措である、そして男たちが去るとしずかに向き直って四郎兵衛を見た、「礼をわきまえぬ者ばかりで無作法を仕った、なんの御用か……」「これだ」四郎兵衛は封じ文を相手の鼻さきへつきだした、「そこもとは武士のむすめに付け文をした、落魄しても武士には武士の名聞がある、そこもとも郷士ならそれを知らぬ筈はあるまい」