Japanische Klassiker mit Furigana
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はちのき
鉢の木
山本 周五郎
Lesen Sie 鉢の木 (はちのき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.534 Zeichen · 28 Bildschirme
ままで来た、「挨拶はよい……」又左衛門は四郎次が坐るのを待ちかねて云った、「伏見城がどうとやら申していたようだが、途中でなにかあったのか」「はい伏見で合戦がはじまろうとしております」四郎次は衿首の汗を押しぬぐいながら答えた、「……徳川どのが上杉征伐に出陣した留守を覘って、石田治部どのが兵をお挙げになり、毛利どの御父子、島津どの、蜂須賀、小西、鍋島、長曽我部、宇喜多、吉川、小早川などという方がたがお味方で、京、大阪を押え、先鋒は東へ攻めくだって伏見城をとり囲んでおります」「伏見城にはどなたがおる」「徳川どのおはたもとの鳥居彦右衛門、松平主殿助、このお二人が主副の大将で、総勢千八百人あまりとうかがいましたし、治部どの軍勢は四万余騎ということでございます」「千八百人と四万余騎か……」「鳥居どのはじめ伏見城では、一人のこらず討死の覚悟でご籠城という評判でございました」又左衛門は頷いた。東征の留守を衝いた石田三成の挙兵は、まさしく徳川氏にとって興廃を決する大事だ、伏見城の守兵が桁はずれの大軍を迎え、全滅を期して戦おうとするのは当然である、それは眼に見る如くだった。