Japanische Klassiker mit Furigana
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Lesen Sie 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.745 Zeichen · 216 Bildschirme
貴殿の邸へはいった賊をここへ探しに参られたとて、何んで賊が出ましょうぞ」
「いや」と専斉は歯痒そうに、「賊はこちらへ逃げ込んだのでござるよ!」
「ほほう、どこから逃げ込みましたかな?」
「黒板塀を飛び越えてな。お庭先へ逃げ込みました」
「それは何かの間違いでござろう。……拙者今までその庭先で吹矢を削っておりましたが、決してさような賊の姿など藉りにも見掛けは致しませぬ」
「そんな筈はない!」
と威猛高に、専斎は怒声を高めたが、
「お気の毒ながらお邸内を我らにしばらくお貸しくだされ。一通り捜索致しとうござる!」
「黙らっせえ!」
と紋太郎、いつもの柔和に引き換えて一句烈しく喝破した。「たとえ隣家の誼みはあろうとそれはそれこれはこれ、かりにも武士の邸内を家探ししようとは出過ぎた振る舞い! そもそも医師は長袖の身分、武士の作法を存ぜぬと思えば過言の罪は許しても進ぜる。早々ここを立ち去らばよし、尚とやかく申そうなら隣家の交際も今日限り、刀をもってお相手致す! 何とでござるな! ご返答なされ!」
提げて出た刀に反を打たせ、グッと睨んだ眼付きには物凄じいものがあった。文は元より武道においても小野二郎右衛門の門下として小野派一刀流では免許ではないが上目録まで取った腕前、体に五分の隙もない。