Japanische Klassiker mit Furigana
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Lesen Sie 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.745 Zeichen · 216 Bildschirme
裏門も厳重に締まっている。乗ずべき隙などどこにもない。
待て! と突然呼ぶ者がある
それでも念のため近寄って邸内の様子を覗こうとした。
「どなたでござるな?」
と門内から、すぐに咎める声がした。「ここは裏門でござります。塀に付いてグルリとお廻りくだされ、すぐに表門でござります。……ははア柳生様のお先供で、ご苦労様に存じます」
「おやおやそれでは柳生侯も今夜はここへおいでと見える。大和正木坂で一万石、剣道だけで諸侯となられた但馬守様は剣の神様、えらいお方がおいでになるぞ」
紋太郎いささか胆を潰し表門の方へ引っ返した。
「待て!」
と突然呼ぶ声がした。闇の中からキラリと一筋光の棒が走り出たが紋太郎の体を照らしたものである。その光が一瞬で消えると黒い闇をさらに黒めて一人の武士が現われた。宗十郎頭巾に龕燈提灯、供の者が三人従いている。
グルリと紋太郎を囲繞いたが、
「この夜陰に何用あってここ辺りを彷徨われるな? お見受け致せばお武家のご様子、藩士かないしはご直参か、ご身分ご姓名お宣りなされい」
言葉の様子が役人らしい。
こいつはどうも悪いことになった。――こう紋太郎は思いながら、