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Japanische Klassiker mit Furigana

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どうせんかいじへん

銅銭会事変 短編

国枝 史郎

Lesen Sie 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.745 Zeichen · 216 Bildschirme

Aozora Bunko

それに彼は冒険児であった。胸に出来ている塊を、吐き出したいという願いもあった。どぎった事をやってみたい。こういう望みも持っていた。

彼は潜り戸へ身を寄せた。それから彼らの真似をして、指でトントンと戸を打った。中は森閑と静かであった。人のいるような気勢もなかった。彼は塀へ手を掛けた。ヒラリと上へ飛び上がった。腹這いになって窺った。眼の下に小広い前庭があり、植え込みが飛び飛びに出来ていた。その奥の方に主屋があった。どこにも人影は見えなかった。で弓之助は飛び下りた。植え込みの蔭へ身を隠し、さらに様子を窺った。やはりさらに人気はなかった。玄関の方へ寄って行った。戸の合わせ目へ耳をあて、家内の様子を窺った。無住の寺のように寂しかった。試みに片戸を引いてみた。意外にも、スルリと横へ開いた。「これは」と弓之助は吃驚した。「いやこれはありそうなことだ。泥棒の巣窟へ泥棒が忍び込む気遣いはないからな、それで用心しないのだろう」彼は中へはいって行った。玄関の間は六畳らしく燈火がないので暗かった。隣室と仕切った襖があった。その襖へ体を付けた。それからソロソロと引き開けた。