Japanische Klassiker mit Furigana
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
Lesen Sie 銅銭会事変 短編 (どうせんかいじへん) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.745 Zeichen · 216 Bildschirme
紋太郎は不快に思いながら咎めることも出来ないのでやはり黙って腰かけていた。
と、老人が話しかけた。
「熊谷へおいででございますかな。それはそれはご苦労のことで。それに致しても三時立ちとは随分お早うございましたなあ」
「何?」
といったが紋太郎これにはいささか驚いた。
「いかにも俺は三時に立ったがどうしてそれを知っているな?」
「へへへへへ、まだまだ沢山存じております。例えば今朝ご出立の時、アノ用人の三右衛門様が、何にあわてたのか大変あわてて鴨居で額をお打ちなされたので、『三右衛門はしたない、気を付けるがよいぞ』と、こう旦那様がおっしゃいました筈で」
「いかにもそういうこともあった」
「ええと、昨夜はご隣家へ泥棒がはいって大事な物を――見事な幅を確か一幅盗んで行った筈でございますよ」
「おおおお、いかにもその通りじゃ」
「盗まれた絵は小野小町土佐の名筆でございましょうがな?」
「どうも不思議だ。まさにその通り」紋太郎は思わず腕を組んだ。
「同じ作者の同じ名画、喜撰法師の一幅は現在旦那様が持っておられる筈じゃ。何も驚かれることはない。布呂敷包みの細長い荷物。膝の上のその荷物。