Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.006 Zeichen · 25 Bildschirme
咄嗟の間、ガラッ八はそうでも言う外はありません。
「近頃は新しいお弟子を皆んなお断りしておりますよ」
「そう言わずに頼むぜ。尺八を稽古しなきゃ、男が立たねエことがあるんだ。師匠に取次いでくれ」
「でも」
老女は頑なに首を振りました。
「不意に来たからって怪しい人間じゃねエ。神田の八五郎という者だ。束脩はいくらだえ。――樽代とか何とかあるなら、そう言ってくれ。憚りながら――」
ガラッ八は懐へ手を入れて財布の中の銭を読みました。「憚りながら金に糸目は付けねエ――」とやるところでしたが、財布の中に残っているのは、四文銭がたった六枚。これじゃろくな蕎麦も喰えません。
「おい、お六。折角そうおっしゃるなら、お通し申すんだよ」
奥から錆のある男の声が掛りました。
ようやく通されてみると、中の調度の思いのほか立派なのにガラッ八は胆を潰しました。家も外は思いきり荒れておりますが、中は畳建具は言うに及ばず、床も天井も張り直して、眼の覚めるような清々しさ。
「尺八が執心なそうで、及ばずながら御相談相手になりましょう。――前々からだいぶおやりでしょうな」
主人は三十二三、大町人の若隠居が、遊芸に打込んで、贅沢三昧の日を送っているといった様子です。