Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.006 Zeichen · 25 Bildschirme
五
「…………」
「師匠の暮し向きの派手なのが、ツイ人の噂に上って、この暮しに費う金がどこから出たか、銭形の親分も変に思っているのさ。今になって、うっかり素姓を隠したり、金の出所を言わなかったりすると、どんな疑いを受けるかも解らないが、いいだろうな師匠」
二人の美しい妹が、隣で息を殺しているのを感ずると、八五郎もツイこれだけの事を教えてやる気になったのです。
五
「それじゃ、言いにくいことだが、何もかも打ち明けましょう。聴いて下さい、八五郎親分」
滝三郎の竹斎は、膝に手を置いたまま、ジッと耳を澄ましました。
夏の宵はまだ薄明るく、外を通る人の跫音が、なんとなくあわただしいのさえ、この家一軒が、十重二十重に取囲まれているような錯覚を起させます。
「実は八五郎親分」
竹斎は続けました。
「この家は慶安の春、謀叛を企てて処刑になった、丸橋忠弥の道場の跡だ」
「えッ」
丸橋忠弥の道場がお弓町にあった事は、語り伝えに聴いておりますが、この敷地がそうとは、八五郎思いも及ばなかったのです。
「私がこの家へ入ったのは一年前。いろいろ修覆しているうちに、床下に穴蔵のあるのを見付け、何心なく入ってみると、由井正雪の一味が隠したものか、中には千両箱が三つ」